こんにちは、おにぎりパンです。
連日で漫画紹介記事です。
年末年始に読んだ漫画、面白いのが多くて・・・
『鉄は熱いうちに打て』とか『思い立ったが吉日』とか言うでしょ?
ブログも自分が描いてて面白いものじゃないと続きそうにないので、今書きたい記事を書きますよ~。
てことで、今回紹介する漫画は『異世界おじさん』です。
~目次~
『異世界おじさん』ってどんな漫画?
基本情報
題名:異世界おじさん
作者:殆ど死んでいる
レーベル:ComicWalker
発行巻数:1巻(執筆時)
『異世界おじさん』は作者である『殆ど死んでいる』先生がTwitter上に掲載していた漫画を元に、ComicWalkerで連載した漫画です。
この記事執筆時である2019年1月現在、既刊1巻です。
2018年11月22日(セガサターンの発売日と日月が同日)に単行本1巻が刊行されました。
漫画を読んだ方はこの情報の重要性が理解できると思います。
作者はどれだけセガサターンが好きなんだよwww
あらすじ
2000年に17歳の若さでトラックに跳ねられ昏睡になっていた、たかふみの「おじさん」が17年ぶりに目が覚めたということでたかふみは病院に赴くが、おじさんは意味不明な言葉で話かけてくる。たかふみは「おじさんの頭はおかしくなってしまったのか・・・」と気を落とす。しかし、おじさんに話しかけると思い出したように日本語を喋りはじめ、おじさんは異世界「グランバハマル」に行っていたことを打ち明ける。ここでもたかふみはおじさんの正気を疑い自立支援施設へ斡旋しようとするが、おじさんが異世界で得た異能の力を見ておじさんの言葉が真実だと思い、おじさんに興味をもった結果、同居することを決断する・・・。
作者
作者は『殆ど死んでいる』先生。
ほとんど情報がありません。
pixivとTwitterの情報から、漫画を描くのが好きであること、将棋にも興味を持っていることが窺えます。
今後のご活躍に期待したいですね。
以下、Twitterなどの情報からわかることと予想されること
・おじさんの知識の生々しさから、1983年前後の生まれの男性だと思われる(予想)
・たぶん重度のセガ信者(予想)
・過去に苛烈なセガ信者弾圧を受けている可能性がある(予想)
・福岡県在住
・なんか野宿とかしてる(意外とアウトドア派?)
・シュタゲ、艦これ、ガルパン、ドラクエ、ローゼンメイデン、このすば、けものフレンズ、マクロス7、ドラクエ3に関するツイートあり
・将棋関係のニュースには結構注目してる
・たまに料理もしてる
・定期的におっぱい揉みたがる
・定期的におっぱいを揉みたがった結果、海外の方におっぱい揉む絵を描いてもらう
登場人物紹介
たかふみ

本作の主人公。
おじさんの姉の息子。
つまりは甥っ子にあたる。
謎の言語を話し、異世界で17年を過ごしたというおじさんを頭がおかしくなったと思い、自立支援施設へ斡旋しようとするも、おじさんの異能の力を見ておじさんの話を信じ、おじさんとの同居生活を決意する。
おじさん

おじさん(34)。
時系列的に1983年生まれだと思われる。
2000年(17歳)の時に事故にあい昏睡状態で17年を過ごす。
昏睡状態の17年の間、おじさんは「グランバハマル」という異世界で過ごしていた。
しかし、異世界生活は過酷なものでつらい記憶を異能の力で消し去ることとで自我を保ち日本に帰ってきた。
重度のセガ信者でテレビゲームで義務教育を済ませたようなところがある。
『異世界おじさん』の魅力
異世界おじさんの魅力を以下にまとめます。
・『なろう系』のテンプレ設定に対するアンチテーゼ
・舞台設定・時代設定のうまさ
・2000年前後を覚えている男性に刺さりまくるネタの数々
『なろう系』のテンプレ設定に対するアンチテーゼ
近年『小説家になろう』というサイトの出現により、『なろう系小説』と呼ばれるジャンルができました。
このジャンルのテンプレートの一つに『異世界転生もの』というのがあるのですが、要は何かしらの原因で『主人公が異世界に転生』して『現代知識』や『特異な才能』で無双するというものです。
本作はその『異世界転生もの』という要素を入れながらも、『異世界転生もの』のテンプレートやライトノベルのテンプレートを悉くぶち壊していく作品です。
『なろう系(笑)』『異世界転生(笑)』と揶揄される程度にストーリー構成や展開がテンプレート化し、同じような作品が量産されている、今の状況をそのテンプレートやフラグをすべてぶち壊すことで見事な笑いを生み出しています。
おじさんは異世界に転生して無双をします。
しかし、おじさんは決して万人からは受け入れられず、孤独な異世界ライフを送っていたのです。
これだけでそこらの異世界転生物とは違います。
漫画を読んでみてください。
マジで爆笑できますよ!
舞台設定・時代設定のうまさ
2000年当時、17歳という思春期真っ盛りで多感な時期で日本での時代が止まり、その後の17年は異世界の常識で生きてきたおじさんが2017年へと帰ってくるわけです。
要はおじさんは17年未来にタイムスリップしているわけですね。
この17年という絶妙な時間の開き方と、その設定の使い方が本当にうまいです。
この17年という時間が、その時代を生きた人なら大体わかる時代ギャップとしてギャグに昇華されています。
もしこれが100年や1000年になると、周囲に知っている人がいない、常識さえも違う世界になってしまうため、その時代を理解している前提のギャグ、もしくは現代と当時がいかに違うかを理解させるためのギャグとなる可能性が高いです。
100年先のことはわかりませんが100年前の日本にタイムスリップしたと考えてみてください。
1900年前後といえば、第2次世界大戦はまだ起きてないですし、携帯電話はもちろんパソコンもありません。
アラン・チューリングが現代のコンピューターの原型ともいえるチューリングマシーンを発表したのが1936年ですよ!?(アラン・チューリングについては映画『イミテーション・ゲーム』を見よう!名作だぞ!!おすすめだぞ!!)
それくらい現代と常識や感覚が違うんです。
それを17年前とすることにより、万人受けしやすい(若すぎるとわからないかもしれないですけどね)舞台設定をうまく整えています。
そして、全項目でも記述したように、現代のラノベ文化やなろう系テンプレートへのアンチテーゼとしても、この時代設定はうまく機能しています。
といいますのも、作中でも描かれていますが、ツンデレヒロインなどの現代ラノベヒロインが周知されだした時代が2004年くらいからなんです。
なろう系や異世界転生が流行ったのはさらにあとで、おじさんは当然知りません。
今では当たり前に理解できるキャラや設定のテンプレートが成立したのは、おじさんが異世界に旅立った後なわけです。
その異世界で現代ではテンプレートと化した展開やフラグを乱立させるおじさんですが、それらを粉微塵に粉砕していきます。
だっておじさんが生きた時代にそんな常識はなかったわけですから。
この作品は本当に設定をうまく生かして的確なギャグを放り込んできて笑わせてくれると同時に、17年という時間の重みというものを認識させてくれる構造になっています。
2000年前後を覚えている男性に刺さりまくるネタの数々
この漫画の真骨頂は『なろう系』『ラノベ文化』『異世界転生』というテンプレート展開へのアンチテーゼとしてのギャグだけではなく、2000年で知識が止まってしまっているおじさんの現代知識とのギャップを使ったギャグにもあります。
おじさんの年齢を逆算すれば、おじさんが1983年生まれであることがわかります。
ですから、おじさんの青春である1990年代の常識を語ります。
この語りが1990年代を過ごしてきた人間に突き刺さるのです。
セガサターンをはじめとした当時のゲームハード戦争の話や、長期連載していた『こち亀』、長寿番組であった『笑っていいとも』など、おじさんの青春は現代には残っていません。
私は1990年代生まれなので、この時代をあまり鮮明には覚えていませんが、知識としてセガサターンやドリームキャストは知っていますし、せがた三四郎のCMなんかは当時見ていましたし覚えてもいます。
そういった年齢の人間でも非常に楽しめる内容となっています。
まとめ
ここまで、『異世界おじさん』の紹介をしてきました。
まだ1巻しか出ていないので手を出しやすい作品だと思います。
1990年代を知る人なら最高に笑えますし、2000年以降に生まれた現代っ子も『なろう系』がはびこる時代を生きている以上、絶対に面白いです。
ぜひとも手に取って読んでみてください。
また、作者の『殆ど死んでいる』先生の今後のご活躍も楽しみにしています。