こんにちは、おにぎりパンです。
年末ですね。
私は今年のクリスマスは研究室で一人クリスマスパーティをしていました。
並ぶ品は半額シールのついたオードブルとケーキ。
こういうイベントは半額総菜がいつもより手に入りやすくていいですね(血涙)
さて、先日はシュガー・ラッシュ:オンラインの紹介記事を書きました。
個人的には、初めての映画紹介記事にしては上々なのではないかと思っています。
今回は、シュガー・ラッシュ:オンラインをネタバレ込みで紹介・解説してみたいと思います。
ネタバレが嫌な人は見ないでね!
~目次~
どういう話なの?『シュガー・ラッシュ:オンライン』
前回の記事で書いたように、今作は2012年公開(日本公開は2013年)の『シュガー・ラッシュ』の続編にあたる話です。
前作で互いに似たような悩みを持つ者同士、意気投合し唯一無二の親友となった『ラルフ』と『ヴァネロペ』は今作でもやっぱり大親友です。
大親友と変わらぬ日常を過ごすことに充実感を覚えるラルフ。
それに対してヴァネロペは代り映えしない毎日に退屈を感じています。
そんなある日、ラルフが気を利かせてヴァネロペの住むゲーム『シュガー・ラッシュ』で新たなコースを開拓し、ヴァネロペは好奇心から、プレイヤーの操作を無視してそのコースに飛び込みます。
そのことがきっかけでシュガー・ラッシュのゲーム筐体のハンドルが壊れてしまいます。
シュガー・ラッシュを作ったゲーム会社はすでに倒産しており、新しいハンドルを入手するのは困難。
そんな中でオークションサイト『eBay』で中古のハンドルを見つけるも高値がついておりゲームセンターの店長リトワクさんはハンドルの入手を悩みます。
このままではシュガー・ラッシュは引き取り業者に引き渡されてしまい、そこの住人は住む場所を失ってしまう危機に直面します。
そこで、ラルフとヴァネロペは最近ゲームセンターに導入された『Wi-Fi』を経由し、新たなハンドルを求めインターネットの大海へと飛び出していきます。
無事にeBayまでたどり着くも、オークションのルールを知らない2人は大きい数字を言うゲームと勘違いし、もともと200ドルだったハンドルを27,001ドルという超高額で競り落としてしまいます。
当然お金を持っていない2人は支払期限である24時間以内に27,001ドルを作るために危険な障害物を伴う路上で行われる激しいオンライン・レーシングゲーム『スローターレース』のカリスマドライバー『シャンク』の車を盗もうとします。
天才ドライバーヴァネロペの腕をもってしてもシャンクからは逃げられず追い詰められてしまう2人。
しかし、事情を話すとシャンクはお金を集めることを手伝うと申し出てくれます。
ラルフのおもしろ動画を撮影したシャンクは人気動画サイト『バズチューブ』にその動画を投稿。
あっという間にラルフの動画は再生数とハート(『イイね』とか『Good評価』)を稼ぎだします。
シャンクから紹介されたバズチューブの管理人『イエス』によれば、ハートはお金に換えられるようで、ラルフはイエスと協力して動画を投稿しハートを稼ぎ出すことを決意します。
動画を作っては投稿するラルフ、その一方でラルフの動画を見てもらうため広告をもって『オーマイディズニー・ドットコム』というサイトで広報活動をします。
この時にディズニープリンセス座談会に参加しています。
2人の努力の甲斐もあって目標としていた金額がたまり、ハンドルを手に入れたラルフ。
しかし、約束の時間になっても親友のヴァネロペはラルフのもとへ現れません。
心配に思ったラルフはヴァネロペに通信を試みますが、ヴァネロペがいたのはスローターレースの世界でシャンクに相談をしているところでした。
ヴァネロペの相談は「自身が刺激にあふれたインターネットの世界に魅了されてしまい元のゲームセンターの退屈な日常に戻りたくない」「だけど大親友のラルフはゲームセンターでの変わらぬ日常を愛しており、本人にこのことをどう伝えたらいいかわからない」「親友と考えの違うことがとても不安である」という旨のものでした。
シャンクはその悩みに対して「親友だからと言って同じ夢を持つ必要はない」という考えをヴァネロペに伝えます。
この相談を図らずも盗み聞きしてしまったラルフは大いに落ち込みます。
そして、スローターレースの世界から刺激がなくなればヴァネロペはゲームセンターに戻ってきてくれると考えて、スローターレースの世界にウィルスを進入させます。
ウィルスは『欠陥プログラム』としてのヴァネロペの脆弱性をスキャンし、いたるところにそれをコピー&ペーストしていき、瞬く間にスローターレースの世界をバグまみれにしてしまいます。
危険を察知したスローターレースの世界は世界をリセットしようとします。
しかし、リセットされてしまったら本来はいるはずのないヴァネロペの存在はそこで消えてしまう。
それを何よりも恐れたラルフは、瓦礫に飲まれ身動きが取れなくなったヴァネロペを寸前のところで救出することに成功します。
ヴァネロペは自身のプログラムの欠陥がスローターレースの世界をめちゃくちゃにしたことを強く後悔します。
それを見て、ラルフは「ウィルスを進入させたのは自分であったこと」、「ヴァネロペとゲームセンターに帰りたい一心でやったこと」、「こんな惨事になるとは思わなかったこと」をヴァネロペに告白します。
それを聞いたヴァネロペは「友達ならそんなことはしない」と言いラルフの前から姿を消してしまします。
ラルフは自分のしてしまったことを強く後悔し落ち込んでしまいます。
その時、ラルフがヴァネロペを救出する際にあけた穴(ファイヤーウォールに穴をあけてヴァネロペを救出しています)から、ラルフが放ったウィルスが出てきてしまったのです。
とても落ち込んでいるラルフの欠点をウィルスはコピー&ペーストして、周囲はあっという間にうじうじと泣きながら友達のヴァネロペを探す偽ラルフで埋め尽くされてしまいす。
大量のラルフに追われるヴァネロペ、そこに合流する本物のラルフ。
2人はこの問題を解決すべくヴァネロペを囮に使い大量の偽ラルフを一掃する作戦を立てますが、途中で追いつかれてしまい失敗。
ラルフの集合体が一人の大きなラルフとなりヴァネロペをさらいます。
そこにさっそうと現れるラルフ(真)。
うまくヴァネロペを救出するも今度はラルフが捕まってしまいます。
「自分のことはいいから逃げろ」というラルフと「私を好きにしていいからラルフを放して」というヴァネロペ。(薄い本かな?)
最終的にはラルフが自身の弱さを受け入れ、ヴァネロペもラルフを受け入れることでラルフウィルスは浄化され問題は無事解決されます。
互いを尊重すること、違うものを追っても友達であるということは変わらないことを学んだ2人はそれぞれ別の道を歩むことを決意します。
そうです、ラルフはゲームセンターに戻り、ヴァネロペはスローターレースの世界に残ることを選んだのです。
ヴァネロペは晴れてスローターレースの世界にプログラムとして書き込まれ、正式にその世界の住人となったのです。
でも大丈夫。
今の世の中通信手段なんていくらでもある。
ラルフはゲームセンターからでもヴァにロペに電話で切るんです。
おわり
2時間の映画にしてはなかなかによくまとめられたのではないでしょうか?

私の解釈
友達のいないハズレ物の2人が出合い冒険の中で親友となっていく物語を描いた前作『シュガー・ラッシュ』。
今作はこの2人が成長する物語です。
作中では彼らは大親友として描かれていますが、本作の構造を考えると『家族』と捉えたほうがしっくりくると思います。
ゲームセンター『アーケード』という家が好きなラルフ
開かれた『インターネット世界』に魅了されるヴァネロペ
見た目だけならラルフがお父さん、ヴァネロペは娘でしょう。
でも、2人の関係性は親友。
ラルフが兄でヴァネロペが妹かな?
逆でも成り立ちそうですよね。
家族としたときの関係はともかく、大学進学で都会に行くヴァネロペ(娘?姉?妹?)と家に取り残される立場のラルフ(父?兄?弟?)、そしてラルフのほうは娘離れできていないわけですね。
きっかけは『シュガー・ラッシュ』が壊れたことではありますが、ヴァネロペは自分のやりたいことを見つけたのです。
そういう意味ではヴァネロペのほうが早く成長しているようですね。
対するラルフは体が大きいだけの子供なんです。
彼は自分のことを好きでいてくれるヴァネロペがいてくれるからこそ自分が好きでいられる。
精神的には本当に自立できていない子供なんです。
そんなラルフは成長していくヴァネロペが理解できないし、とても不安に感じています。
そんなラルフがヴァネロペから見捨てられたときに、ラルフは自分の『うじうじと女々しい点』そして『悪役:壊し屋としての役割』という自身が見たくない欠点と相対する事態になります。
ラルフは自身の欠点を認め受け入れることで大人の階段を一段上り、本当の意味で自分を愛することを覚え精神的な自立を手に入れたのです。
そこにはヴァネロペにべったりと依存していたラルフはもういません。
お父さん?は無事に娘?離れすることができたのです。
同じディズニー作品なので上げさせていただきますが、『キングダムハーツシリーズ』でもアクセルが言っています。
『親友てのはどれだけ一緒にいたかじゃない、どれだけ相手のことを思ったかだ』
この一言に尽きます。
皆さんにもいるでしょ?
中学・高校では仲が良かったけど疎遠になってしまった友人。
私もいますよ。
でも、そんな友人と久しぶりに再会したら初めこそ気恥ずかしいけど、15分もすれば当時の私と友人のような関係に戻ってるんです。
結ばれた絆に距離は関係ない。
そんなことをこの物語を通じて2人は学んだのです。
本作の感想・考察
感想に関しては、先日のネタバレなしのほうの記事でほとんど書いてしまった感が否めませんが、ネタバレ前提なのでもう少し突っ込んだ表現で書いてみましょう。
不定形のインターネット世界を描いた映像美
やはりここは外せないですよね。
いろんなWebサイトが立ち並ぶ大都会。
サイトの規模によって建物のサイズも変わってきます。
インターネット利用者はマウスを動かしてカーソルを操るようにアバターとなって好きなWebサイトに向かうのです。
ラルフとヴァネロペがインターネット世界に出てきて最初に助けてもらうのが、検索サイトや検索バーを擬人化したキャラクターである『ノウズモア』です。
このノウズモアの表現は視覚的にも物知り感出てますし、検索に際して数文字入力した段階で検索候補を読み上げてくる感じたまらなく面白ですよね。
他にもスパム広告の擬人化でもある『JP・スパムリー』なんかは、胡散臭い感じがひしひしと伝わってきますよね。
それにしてもスパムリー足細すぎですよね。
人気動画投稿サイトの管理人である『イエス』も新しいもの好きで、目まぐるしくトレンドが変わる現代のインターネットを体現したように、彼女の服装や髪形も目まぐるしく変わっていくんです。
そういった、おそらくインターネットを使ったことがあるすべての人が理解できる「あるある」「わかるー」をコミカルに表現おり本当に素晴らしい出来栄えだと感嘆しました。
ゲームやアニメのキャラクター
本作には前作に引き続きゲームセンター『アーケード』に入っているアーケードゲームのキャラクターが出てきます。
代表的なもので言えばストリートファイターの「リュウ」「春麗」「ザンギエフ」「ベガ(海外版ではバイソン)」や「パックマン」、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」などがあげられます。
今作では舞台がゲームセンターからインターネットに移ったことにより、さらに見境がなくなり、大量のディズニーキャラクターが登場します。
例えば今作の監督と共同監督であるリッチ・ムーア、フィルジョンストンのペアが手掛けた『ズートピア』のニック(キツネ)や『トイストーリーシリーズ』でおなじみのバズ・ライトイヤーや『Marvelコミック』のアイアンマン、『スターウォーズシリーズ』のトルーパーが出てきたりと画面を大いに賑やかにしてくれます。
そんな中でもディズニープリンセスたちの総出演は本当に画面が華やぎます。
後のパロディの話でもあるのですが、このディズニープリンセスたち、ステレオタイプなディズニープリンセスを自虐的なネタとして笑いを取りに来るのです。
リッチ・ムーア、恐ろしいことするやんけ。
ここでのプリンセスあるあるのような皮肉めいたイジリはやりすぎると不快感を感じる人が必ず出てきます。
それくらい絶大な人気を誇る作品群のヒロインたちですからね。
それをやりすぎない絶妙な塩梅は素直にうまいと思いました。
そんな自虐ネタの、「水面を見れば自然と歌が浮かぶ」というディズニープリンセスあるあるは本当に面白かったです。
センスの塊かよ。
そして、このプリンセスたち自由奔放で今作のプリンセスヴァネロペのラフな格好をまねするのです。
まさにディズニープリンセスは総じてドレスを着ているものだという古い固定観念をぶち壊してくれます。
そしてアリエルの「これなんて言ったっけ?そうシャツ~♪」
控え目に行って最高です。
Part of Your Worldの「足~♪」「道~♬」のパロディですね。
観客の反応的に、ここのパロディを理解している人はほとんどいないように感じました。
ぜひとも『リトルマーメイド』の『Part of Your World』と聞き比べてもらいたいです。

パロディ・オマージュ
先述で先走ってしまいましたが本作BGMや歌のパロディ・オマージュ・リスペクトが非常に多く感じました。
先述した通りのアリエルの「シャツ~♪」もそうですが、最後に落下するラルフがディズニープリンセスたちに助けられるシーンでは活躍するプリンセスに沿ったBGMが流れていました。
本当に細かいところにファンサービスを忘れない作品です。
視覚的なパロディで言えば最後の偽ラルフ集合体が大ラルフを形どりヴァネロペを捕まえるシーンはわかりやすいほどのキングコングでしたね。
あれはラルフの住むゲーム『フィックス・イット・フェリックス』の元ネタの一つがドンキーコングであり、愛する女性を守るゴリラの代表『キングコング』のパロディをラルフで行ったのでしょう。
新たなディズニープリンセスの誕生
やはりこれはしびれますよね。
ディズニープリンセス座談会でヴァネロペは『ドレスを着ていないの?』『歌を歌わないの?』というディズニープリンセスあるあるから逸脱していることを指摘されています。
ドレスに関してはプリンセスたちが一斉にラフな格好に着替えることでディズニープリンセスだってこういう格好をするということを示します。(ディズニープリンセス側から土俵に降りてきてもらった感が否めませんが・・・)
そしてこの後にヴァネロペは見事に自身の心境を歌い上げるのです。
これで晴れてヴァネロペは『シュガー・ラッシュのプリンセス』から『ディズニープリンセス』へとなったのです。
その歌の内容もディズニー作品の名曲の題名や歌詞をもじったり使ったりしたものになっています。
本当にこの作品の音楽周りのディズニー愛と過去のプリンセスたちへのリスペクトは半端ないです。
ぜひともディズニーミュージックを履修したうえで視聴してみてください。
演出の濃さがグッと上がりますよ。
気になった点
物事にはいい点と悪い点があります。
映画でもそうです。
人が作るものですから、完全なものなどないのです。
それは映画も同じ。
どんな映画でも気になる点は必ずあるものです。
本作で気になった点は『ヴァネロペの決断の正当性』です。
結局ヴァネロペはオンラインの世界に残ったわけですが、それは、前作で『ターボ』が行った禁忌である、異なる世界(ゲーム)への干渉をヴァネロペが行ってしまっているんです。
今作では初めのラルフの『シュガー・ラッシュ』への介入もそうですが、その辺の設定をおざなりにしてしまっている感が否めません。
そして、最終的にはヴァネロペの決断がゲームセンター『アーケード』を捨てるような決断にも映るわけです。
ラルフがヴァネロペに依存しているのはヴァネロペを救った際の「君なしでは生きていけない」の一言からも明白ですが、ラルフの望む結末(ヴァネロペと共にアーケードへ帰る)は世界の在り方としては正しいものなのです。
ヴァネロペはそれを拒否しインターネット世界に残ることを決断するわけですが、その決断はあまりに自分本位で自己中心的に感じます。
見ようによっては、ヴァネロペがどうしようもなくわがままで嫌な女にしか見えないんです。
ラルフがその決断を受け入れる形で美談として完結していますが、もとからある設定的に、そこを落としどころとするのは少し乱暴に感じました。
最後に
概ねの内容はネタバレなしのほうと被ったというか、ネタバレなしの記事の答え合わせのような記事になってしまいましたね。
私も1回見ただけなので、見落としている点もたくさんあると思いますが、楽しんでいただけたでしょうか?
少しでもこの記事が映画ライフにプラスの影響を与えてくれればうれしく思います。
ではでは~♪
