お久しぶりです。
おにぎりパンです。
かなり久しぶりにブログを書いてます。
この時期はどの大学も忙しい時期ですから、しょうがないね。
さて、本日は久しぶりの漫画紹介です。
現時点で私の2019年ベスト漫画No.1に鎮座する「テロール教授の怪しい授業」を紹介します。
初めに言っておきますが、この漫画、滅茶苦茶面白いです。
そして、何よりも非常に勉強になることがたくさん書いてあります。
現代社会に生き、SNSを活用する方や大学生活を経験された方、これから大学生になるという方、ほとんどすべての日本人にぜひとも読んでほしい一冊です。
そして、漫画を紹介するという記事の性質がら、ネタバレを避けることはできません。
しかし、この漫画は前情報なしで読んでもらいたい。
ですから、この記事を読む前に以下の商品リンクから漫画を買うか、コミックDAYSで1,2話は無料で読めるので(2019/02/13時点)そこで読んでみることをお勧めします。
「御託はいいからさっさと紹介しろよ」というせっかちな方々。
以下、「テロール教授の怪しい授業」を紹介します。
~目次~
概要
基本情報
作品名:テロール教授の怪しい授業
原作:カルロ・ゼン
漫画:石田点
掲載雑誌:モーニング
発行巻数:1巻(2019/02/13時点)
「テロール教授の怪しい授業」は雑誌モーニングで掲載されている漫画です。
原作は「幼女戦記」の著者として知られている「カルロ・ゼン」先生。
漫画を書いているのは「石田点」先生。
2018年12月21日にコミック第一巻(1~5話+書き下ろし1話)が発売されています。
上にも書きましたが、コミックDAYSで1,2話は無料で読めるので(2019/02/13時点)この記事を読む前に読んでみてください。
作者
カルロ・ゼン
原作を務めるのは「幼女戦記」の原作者でもあるカルロ・ゼン先生です。
私はアニメ幼女戦記でカルロ・ゼン先生のことを知り、コミック版幼女戦記を読んで大ファンになりました。(原作小説は未読です。ごめんなさい)
幼女戦記は非常に話題にもなった作品なので、アニメ好きな人なら知っている人は多いのではないでしょうか?
幼女戦記のほかにも、今回紹介している「テロール教授の怪しい授業」「売国機関」など、カルロ・ゼン先生が原作を務めている漫画はいくつか出版されています。
いずれの作品も作者自身の戦争やテロに対する相当量の知識が窺い知れる読み応え抜群の作品です。
石田点
漫画を描いているのは「石田点」先生です。
非常に申し訳ないのですが、私はこの人のことを何も知りませんでした。
ですが、この漫画の完成度を高めている要素の一つに、石田点先生の作画の力が間違いなく寄与しています。
素晴らしく迫力のある絵を描く方なので、今後の作品に期待したいですね。
あらすじ(第一話)
大学入学早々に、カルト集団の勧誘を受けていた本作の主人公「佐藤」くん。
彼をカルト集団から救ったのは、大学で教授をしている「ティム・ローレンツ」という男性だった。

ティムは右も左もわからない新入生のために、彼のゼミで懇親会を開いていることを佐藤に告げ、佐藤を懇親会へ誘うのだった。
どうするか迷った末に懇親会への参加を決めた佐藤。
懇親会を開いているローレンツゼミには、佐藤と同じように誘われた新入生が多数いたほか、やさしいゼミの先輩たちもいた。
また、学生たちに共感を示す真摯な教授の姿勢に強く惹かれていく佐藤。

佐藤はそのあとのティム教授の受け持つ講義のオリエンテーションまで参加することを決意するのであった。
オリエンテーションで、人と人がいがみ合う現代社会の負の部分を紹介しつつ、そんな時代だからこそ、人との心のつながりを大切にし、共に歩んでいくための研究の重要性を説くティム教授の演説に感動した佐藤は、ティム教授の授業を受けることを決意するのだった。

そして、第一回の授業。
ティム教授は授業の開始を告げるとともに吠えるのだった。

唐突なテロリスト呼ばわりに困惑する佐藤たち学生一同。
実は、ティム教授が行っていた、「開放的なレクリエーション(懇親会)→閉鎖的なゼミ(講義)」への誘導という一連の流れはカルト集団が使う常套手段だったのだ!!
つまり、この流れに乗って、ティム教授の一回目の講義までたどり着いてしまった佐藤はカルトに引っかかりやすいということを、実践をもって証明してしまっていたのである!!
右も左もわからない大学生たちは、ティム教授の甘言に惑わされて、泣く子も黙る恐怖のローレンツゼミに自らの足で赴いてしまっていたのであった!!
「脱落者=テロリスト認定」の恐怖の講義がここに幕を開ける・・・。
登場人物紹介
佐藤

本作の主人公。
迷える大学生。
周りに流されてきた人生を変えたい一心で、ティム教授の甘言にまんまと乗せられてしまった犠牲者その1。
ティム・ローレンツ教授

安全保障を専門とする大学教授。
佐藤たちの受講する「反テロリズム教育」の講義を担当する。
ドーナッツ中毒者
TAさん

ローレンツゼミの学生。
TA(ティーチングアシスタント)として講義の補佐をするほか、ティム教授の言葉足らずな物言いに補足説明を加えてくれる。
きのこかたけのこかと言われればきのこ派
かわいい。
かわいい。
その他のローレンツゼミ受講者(2話以降で活躍)
澤村

ほんわかした女の子。
ゆるい雰囲気のわりに意外と鋭い。
ドーナッツの誘惑に負けた。
秋川

信念の男。
常にケンカ腰。
村河
冷静な委員長タイプ。
白川

バカ。
でもたまに核心を突くバカに進化する。
きのこかたけのこかと言われればたけのこ派。
「テロール教授の怪しい授業」のここがすごい
テロール教授の怪しい授業の素晴らしいところ3点をいかにまとめました。
・第一話の構成のうまさ
・ステレオタイプなテロリストイメージをぶち壊す
・「洗脳」と私たちの周りに潜む危険を見事に描いている
第一話の構成のうまさ
第一話を読んだ方なら確実に、私がまとめた第一話の概要を見た方でも何となくわかるのではないでしょうか?
この漫画の第一話のプロットが滅茶苦茶うまいです。
この漫画はテロリズムに関して無知な学生が、大学の講義を通してテロリズムについて学んでいくという構成をとっています。
そして、テロへの参加の第一歩である無意識下での組織への参加(懇親会への参加)と囲い込み(オリエンテーションから講義への誘導)というものを話の中で出てくる自然な要素だけで見事に再現してみせているのが本作の第一話なのです。
そして、主人公である佐藤くんはその網に見事にかかってしまった生贄なわけです(笑)
本作のテーマである「反テロリズム教育」を語るうえで、導入としてここまで自然かつ強烈なインパクトの第一話はないのではないでしょうか?
このプロットを考え仕上げた原作者のカルロ・ゼン先生には脱帽ものです。
そして、プロットに負けないくらい迫力があり飲み込まれるような漫画を描いた石田点先生の見事な仕事に感謝しかありません。
ステレオタイプなテロリストイメージをぶち壊す
「テロ行為を行う人は総じて狂人である」
9.11同時多発テロやイスラム国の活動をテレビなどで見てこう思った方は多いのではないでしょうか?
私もそう思っていました。
そう思っている人にこそ本作を読んでほしいです。
本作では、何の変哲もない一般大学生たちが如何にしてカルトや過激派集団に洗脳されていくのかを解説してくれています。
そうです。
テロリストたちは最初からおかしな考えや危険思想の持ち主ではないのです。
つまり、本作を通して、私たちも一歩間違えれば危険思想に染まり、テロリストやカルト集団の仲間入りを果たしていたかもしれないということに気づくのです。
ではなぜ、私たちは「テロ行為を行う人は総じて狂人である」と考えているのか?
それは私たちがテロリストの在り方を正しく理解、認識できていないからです。
私たちが持つテロリストのイメージと言うのはテレビをはじめとしたメディアによって作り上げられたものであり、その虚像・嘘がいかにクソであるかということを痛烈批判しています。
本作を読むことで、多くの人がテロリズムの在り方やテロリストに対して新たな視点を獲得することができると思います。
自分の視野を広げられるというだけでも非常に有意義な本ですが、その上面白いと来たら読まない手はありません!!
さぁ!読もう!!(ちょっとカルトの勧誘っぽい(笑))
「洗脳」と私たちの周りに潜む危険を見事に描いている
オウム真理教の地下鉄サリン事件を始めとしたテロ行為には「洗脳」がつきものです。
本作では、このテロリストへの第一歩でもある「洗脳」についても解説しています。
そして、作中で描かれている洗脳手順に多くの人が既視感を覚えるはずです。
私も読んでいてゾッとしました。
読んだ人なら共感してくれると思いますが、本作で紹介されている洗脳の手順は何も過激派集団やカルト集団だけが使っているものではないことに気が付きます。
私が利用しているTwitterなどのSNSでも、洗脳まがいなことをしてお金を稼いでいる人達がたくさんいることに気づけます。
そうです。
私たちの周りには目に見えているけど気づけない危険があふれているのです。
そして、作中ではそのような洗脳に対して、どのように自分たちを守っていくかということが描かれています。
「私は大丈夫!!」と思ったそこのあなた!!
作中でも語られていますが、「自分は大丈夫」と思いこんでいる人ほど、暴走して危険な行為に及んだりするんですよ!!
そういう人こそ、本作「テロール教授の怪しい授業」を読みましょう!!
自分の身を守るためには知識をつけることです。
本作は、その知識が正しいのかは各々の判断に任せるとして、必ずためになると思います。
より正しい判断を下すための参考になると思いますので読んでみてください!
いや、読みましょう!!
おまけ:バイトテロの思考
本当にくだらないことですが、昨今、某寿司屋やカラオケ屋、コンビニなどのバイト定員がしょうもない動画をSNSにアップロードして大炎上する問題が多発しています。
本作では当然ながら彼らのことを取り上げてはいないのですが、テロリストが自爆テロを行う心理と、彼らバイト定員がバカな動画をSNSにアップロードする心理はほとんど同じなのではないかと考えさせられたりします。
いったんそのように見えてきたら、おそらく、バイオテロと掛けて作られた造語である「バイトテロ」という言葉がとても彼らを的確に表しているのではないかと感じる次第です。
まとめ
漫画「テロール教授の怪しい授業」を紹介しました。
この漫画のすごいところは以下の3点です。
・第一話の構成のうまさ
・ステレオタイプなテロリストイメージをぶち壊す
・「洗脳」と私たちの周りに潜む危険を見事に描いている
本作はテロという平和な日本では縁遠い非日常を扱っているように見えて、日常的にSNSを始めとしたネット上で行われている洗脳工作に通ずるものが描かれています。
このブログを読むような人には読んで損になる本ではありません。
私が保証しましょう。
滅茶苦茶面白いうえに、滅茶苦茶勉強になるので、ぜひとも一度手に取ってみてください。
なお、本記事はできるだけ多くの方にこの漫画を読んでもらいたいと思い書いているので、作中の核心に触れるような内容は極力排除して書いたつもりです。
ですから、本記事を読んだうえでも漫画の内容は十分に楽しめますし、勉強になることが多いと思います。
そして、テロの定義やテロリスト、善悪の境界と言うのは非常にあやふやで、立場や時代が違えば変わってしまうものです。
同じ愛国者でも考え方の違いから「右翼」「左翼」「保守」「リベラル」などと呼ばれることもあります。
そのようなイデオロギーの違いや立場の違いで善悪が簡単に入れ替わってしまう一面を描いている、カルロ・ゼン先生の「売国機関」。
合わせて読んでみてはいかがでしょうか?
そして、戦後を描いた「売国機関」に対して、カルロ・ゼン先生が戦中を描いた名作「幼女戦記」もぜひ読んでみたください。(絶対にタイトルで損している作品だと思います。)
久しぶりにブログを書くとやっぱり体力と時間がゴッソリと削られました。
まぁ、好きなものを紹介する記事なので、別に苦ではなかったですが、、、
やはり、できれば毎日更新をしたいと思いながら、そううまくはいかないなぁと実感する今日この頃なのでした。
ではでは~ノシ