こんにちは、おにぎりパンです。
これから、フランスに旅行に行く人はレストランに気をつけろ!!
私は声高に主張したい!!
レストランのフライドポテトに気をつけろ!!
あれは2017年10月。
私はとある学会へ参加するために単身フランスに飛んだのだった。
知らない土地にワクワクする一方、チップ文化に馴染みがない私は、一食がどうしても高くなってしまうことも相まって、レストランの利用を避けていた。
フランスにはパン屋がいたるところにある。
だから、食べるには困らない。
さらに、スーパーマーケットでは日本とほとんど同じ金銭感覚で買い物ができるので、パン屋とスーパーマーケットを多用していた。
ある日の夕方、一人で町を散策していたら、たまたま同じ学会に参加していた日本のS大学の学生3人組に遭遇したのだった。
S大の学生とは日本の学会でも何度も顔を合わしていたため、軽く挨拶を交わし、「あそこには行ったか」とか「ここの教会がきれいだった」とか雑談をしていた。
すると、S大の学生のほうから「おにぎりパンさん、もう晩飯食べました?」と聞かれた。
「今日もこの後スーパーマーケットに行って、サンドイッチでも買おう」と思っていた私は、まだ食べていない旨を伝え、「どこか行くの?」と聞いた。
するとS大の学生は「この後S大のO教授と学生3人の4人で飯食う予定なんですけど、一緒にどうですか?」と聞いてきた。
O教授が一緒なら、ちゃんとしたレストランに違いない。
さらに言うならば、O教授の奢りに違いない。
金銭的問題とチップ文化が怖いという問題の両方が解決するのだ。
これに乗らない手はない!!
間髪入れずに「ぜひとも!!」と返答する私。
「今日はフランスらしいものをたくさん食べれるぞ!!」という期待に胸を膨らませ、S大の学生3人とO教授との待ち合わせ場所に向かうのだった。
待ち合わせ場所はその街の中心街(パリじゃないよ。もっと田舎の町だよ。)で周囲はレストランが立ち並んでいた。
そこに現れるO教授。
「あれ?おにぎりパン君じゃん。どうしたの?」と聞かれたので、「そこでS大の学生にあって、晩御飯に誘われたんです。」という旨を説明する私。
気のいいO教授は「そうなんだ。じゃあ適当に店入ろうか~」と言いながら、本当に適当に店を選んで入っていった。
そして、フランスに来て初めてレストランに入店した私。
なんやかんやで私を含めた学生4人+教授の5人での食事会となったわけだ。
教授はセットやプレートなんてちゃちな注文の仕方はしねぇ・・・。
そう、単品料理を注文しまくったわけだ。
これから地獄が始まるとも知らずにね・・・。
ここでその時の美味しいフランス料理の一部を載せておこう。

エスカルゴとオリーブの酢漬けですね。
このタコ焼き機の穴に入っているオリーブオイルがまたおいしいんです!!
バゲット(フランスパン)を浸して食べると最高にうまいです!
どれだけでも食べられる!

ムール貝ですね。
こちらもたっぷりのオリーブオイルで煮てあります。
ムール貝もうまいんですが、エスカルゴ同様、煮込んだオリーブオイルとバゲットの組み合わせが最強でした!!
皆さん、気づいただろうか?
おいしそうな料理の背後にフライドポテトが映りこんでいることに・・・。
そうなのだ。
フランスのレストランは単品で料理を注文すると、すべからくサイドにフライドポテトが添えられてやってくるのである。(私の行ったレストランだけ?)
しかも、いちいちマクドナルドのポテトのMサイズくらいの量が付いてくる。
私たちはおいしい料理をたくさん食べた。
そう、つまり、単品料理をたくさん注文したのである。
上の写真以外にも、ピクルスやチーズ、肉料理に魚料理。
すべてにポテトが付いてきた。
テーブルの半分はポテトとなっているのである。
陣取りゲームならポテトがかなり優勢な状態であろう。
そして、これもフランスレストランあるあるなのかもしれないが、取り皿がないんだよね。
私たちが着席したテーブルの上には、マクドナルドのお盆の上に敷いてあるようなペラペラの紙とナイフ、フォークしかないのである。
しかし、注文した料理の中には汁気が多いものも多数あるわけで・・・。
当然取り皿が欲しくて、ウェイトレスさんに伝えるよね。
「Five plate please.」
にっこり笑って「OK!」と力強くうなずくウェイトレスさん。
笑顔が眩しいぜ・・・。
数分たっても取り皿が来ない。
皿持ってくるだけでどんだけかかっとんねん(# ゚Д゚)
と思いながらも、談笑する我々。
その後、満面の笑みを浮かべたウェイトレスさんがやっとプレート(皿)を5つ持ってきて、同時に我々の笑顔が凍り付いたのだった。
そう、5枚のプレートの上には山盛りのポテトがトッピングされていたのであった!!
陣取りゲームでポテトが大勝を収めた瞬間だった。
注文した料理よりも一度も注文していないポテトのほうがテーブルを占拠しているという異様な光景を目の前に我々はひたすら食べた。
ポテト、ポテト、ポテト、ムール貝、ポテト、ポテト、バゲット、ポテト、ポテト、ポテト、ポテト・・・
エンドレスポテト。
日本には八大地獄というものがあるが、フランスには第九の地獄が存在したのである。
ポテト地獄
それか、これはあのレストランの宝具なのだろうか?
無限のポテト(アンリミテッドポテトワークス)
それともこれは店の嫌がらせ?
笑顔が眩しいウェイトレスも裏では「イモでも食ってろ!ジャップが!!」とか言ってるんだろうか?
「イエローモンキーにはお芋がお似合いよ」とか言ってるんだろうか?
はたまた、京都のぶぶ漬け的な文化がフランスにもあるのだろうか?
真相はわからないが、我々は目の前のポテトをひたすら食べ続けた。
一生分のポテトを食べたのではないだろうか?(それは言い過ぎか?)
途中で教授が「僕、もう歳だから、油物は受け付けないんだよね~」とかのたまいながら、オリーブオイルがたっぷりしみ込んだバゲットを食ってやがる。
許さん。
永遠とも思えるポテトとの勝負も血気盛んな学生4人の前にはあっさりと決着がついた。
我々の勝利だ。
陣取りゲームは学生4人の奮闘もあり、人類がイモに勝利したのであった。
フッ、この程度か・・・。
勝利の余韻に浸る我々。
教授の「そろそろ出ますか~」の一言で席を立つのだった。
会計はもちろん教授。
ごちそうさまでした<(_ _)>
ポテトも含めてレストランの料理はとてもおいしかったです。
おまけ
ヨーロッパのレストランは店の外にも席がたくさんある。
そして、多くのヨーロッパの人たちは店外の席を好むようである。
私がフランスを訪れたのは10月中半~後半にかけてだったので、夜はそこそこ冷える。
それでも彼らは外で食事をしたがるのだ。
このポテト地獄を見舞ってくれたレストランでも例外ではなく、結構寒いにもかかわらず、外の席で食事をしている人たちが結構いた。
その中の1グループが家族連れだった。
人数は5人。
おじいちゃん、おばあちゃん、息子(娘?)夫婦に孫。
仲睦まじく食事をしているのだが、おじいちゃんが杖を自分の膝の上でくるくる回している。
イメージとしては、麺棒で生地を延ばしているような感じ。
杖を横にして膝の上でくるくるしているのだ。
別に何らおかしいことではない。
そういう癖なんだろう。
しかし、我々は気づいてしまったのだ。
おじいちゃんが持ってるの杖じゃなくて、掃除機のヘッドだ!!

途端に異様な光景に様変わりした家族団欒の絵。
家族は誰もおじいちゃんが掃除機のヘッドを持ち歩いていることをツッコまないのだろうか?
もう当たり前になっているのか?
いや、むしろあれがフランスのスタンダードな可能性も・・・?
ポテトも含めて文化の違いで横っ面をぶん殴られたような気分になったのだった。
フランス・・・恐ろしい国・・・。
これからフランスに行く人たちは本当に気をつけてほしい。
レストランではポテトに気をつけろ!!
そして、何気ない顔で歩いている人は掃除機のヘッドを杖代わりにしているかもしれないのだ。
Fin.