こんにちは、おにぎりパンです。
皆さん妖怪に会ったことあります?

私は徳島県に行ったときに、サツキちゃんとメイちゃんも真っ青な不思議な体験をしたことがあります。
そう妖怪に会ったんです。
妖怪(笑)に・・・
きっかけ
そもそも徳島県に行くことになったのは私が修士2年生の秋。
私が大学生の時に所属していた部活動の大会が徳島県であるから後輩たちの応援がてら観光に行こうという話になったんです。
徳島に行ったメンツは私と部活の同期の男3人。(それぞれKとTとY)
大会は金曜から始まって日曜に終わる。
金曜はさすがに行けないから土曜に徳島県に行って一泊して帰って来ようって話にまとまりました。
車を持っていた私が車を出し4人で徳島に行くということになったんです。
この時の宿の手配なんかは全部Yに任せていたんですね。
Yはすごく安い民宿を見つけており、なんかホテル検索サイトみたいのでも結構評価が良かったみたいでみんなの了承を得てそこの宿を取ったんです。
この民宿があんな恐ろしい場所だったなんて・・・
この時は知る由もありませんでした。
いざ徳島へ
私たち4人はみんな理系の修士2年ということもあり、平日はみなそこそこブラックな環境でそれぞれの研究をしていました。
ですから、近くに住んでいて仲もよかったんですけど、なかなか集まる機会もなく今回の旅行を4人が4人結構楽しみにしてたんですよ。
宿の手配はYがやってくれた。
運転は私が担当。
KとTは宿周りのお店を調べてくれたり、徳島県の観光スポットを調べてくれたりしてたんです。
朝そこそこ早い時間に広島県を出発していざ徳島県へ。
皆学生でお金もなかったので、できるだけ下道で徳島を目指したんですよ。
まぁ、結構いい時間かかるんですよね、4,5時間くらいですかね。
道中は「後輩たちに差し入れをもっていこう」とか「徳島でどこ行こうか」とか「お昼ご飯何食べる?」とか、本当に他愛のない話で盛り上がっていました。
本当に楽しかったですよ・・・この時はね・・・。
徳島到着
昼過ぎには徳島県について、お昼も済ませてから大会が開催されている体育館?アリーナっていうのかな?結構大きい施設に行ったんですよ。
大会を見て現役で部活をやっていた時代を懐かしみながら、知らない他大学のメンツと軽い挨拶を交わしたり、私たち同様後輩に応援に来た見知ったメンツとかと話したりと、結構充実した時間を過ごしたわけです。
昼過ぎについて4時間くらい応援してたのかな?
外に出ると結構日も傾いてたんですよ。
後輩から聞いたお勧めのお店で晩御飯を済ませて宿を目指したころには完全に日も沈んで街灯の明かりと信号、行きかう車のライトが周囲の景色となっていました。
車中では晩御飯に満足した男4人が宿の部屋割りを話していました。
部屋は2人部屋×2で取ってたんですね。
結果、私はTと同じ部屋、KとYが同じ部屋となりました。
妖怪の住まう家
Yのナビゲーションに従いながら見知らぬ住宅街を走る私たち。
Yが予約してくれた宿は結構古い民宿みたいで住宅街の細い道を抜けた先にあったんです。
周囲は住宅街だけど、大通りに出ればスーパーやコンビニなんかも結構あって悪くない立地。
ただ細い道が多いので車の乗り入れが少し不便。
民宿のおばちゃんの指示に従って駐車スペースに車を止めて「4人で予約していたYです」と言って部屋の鍵をもらう私たち。
この時点で20時くらいですかね。
まだまだ時間はある。
俺たちの夜はこれからだということで、一応おばちゃんに部屋で酒盛りをしてもいいかを確認。
あまり騒がなければ問題ないとのこと。
私たちが泊まった宿はどうも家族経営している民宿のようで結構大きい家の半分を家族が使い、もう半分を民宿として開放しているという構造でした。
私たちはその民宿の2階の2部屋をあてがわれていました。
まずはそれぞれの部屋で荷物を置いてお酒を買いに外出しようという話になり、荷物を置いて部屋を出たわけですが、、、
鍵が閉まらない。。。
入るときには簡単に回った鍵が回らない。
鍵を閉めようとガチャガチャと鍵を回す私たち。
そこへ民宿のおばちゃん登場。
部屋のドアはホテルのトイレにあるような内側のドアノブについているボタンを押して鍵を閉めるタイプなようで、鍵で閉めるドアではないとのこと。(円筒錠もしくはボタン錠ていうそうです)
鍵の救急隊福岡 より
つまり、部屋の鍵をかけるには、ドアを開いた状態で部屋の内側からノブのボタンを押し(鍵がかかる状態)そのままドアを閉めればよいそうです。
無事鍵をかけた我々。
しかしここでトラブルが、、、
私とTの部屋のドアのカギ穴に入れた鍵が抜けない・・・
その場に居合わせた民宿のおばちゃんにも見てもらったがやはり抜けない。。。
鍵を壊してしまったか?
少し心配になりながらも大丈夫そうかを民宿おばちゃんに尋ねると、
「こちらでなんとかしときますから、用事があるのならば出てきていいですよ」
とのこと。
頼りになるぜ民宿おばちゃんb
お酒を買いに行きたい旨を伝え、近場のスーパーを教えてもらいそこに向かおうと玄関に向かう我々。
階段を下りたところで我々に声がかかりました。
「お出かけですか?」
声のほうを見た私たちは固まってしまいました。
そこには2階で鍵を抜いているはずの民宿おばちゃんがいたのです!!
同じ顔に同じ声、同じベージュのババシャツを着た『ヤツ』がそこにいたのです!!
「え、ええ、少しスーパーまで・・・」
BBAのドッペルゲンガーに遭遇し笑いを必死にこらえながら受け答えする私たち。
民宿を出るなり大爆笑でした。
勝手に『平成の妖怪』呼ばわりしスーパーにつくまで2人の民宿のおばちゃんの話で大いに盛り上がりました。(おばちゃんごめんなさい)
「双子なのか?」「実は単細胞生物で分裂して増えるのではないか?」「お酒買って帰ったら3人になってたらどうしよう」など本当に大いに笑わせてもらいました。(おばちゃん本当にごめんよ)
往復で20分くらいですかね。
民宿に戻ると私とTの部屋の前に人だかりができていました。
どうやらまだ鍵は抜けていないよう。
事情を察知した家族の方々が集まっているようでした。
「大丈夫ですか?」
尋ねる私たち。
部屋を貸している相手が戻ってきたことに気づいた家人たち。
「もう少しかかりそう」とのことだったので、KとYの部屋で酒盛りをする旨を伝え、「鍵が抜けたら教えてください」と言って4人でKとYの部屋で飲み始めました。
テレビなんかを見ながらだらだらと酒をあおること30分ほどして気が付きました。
部屋の外が騒がしい。。。
周期的に「ドンッ!」「ドンッ!」と何かを叩くような鈍い音が聞こえてくるのです。
恐る恐る部屋の外の様子をうかがう私たち。
そこには衝撃的な光景が広がっていました。
私とTの部屋の扉に大男が体当たりをしているのです!!
「ああ、俺これ知ってるわ。コナンとか金田一の密室殺人で見るやつだわ。悲鳴が聞こえて来てみたけど鍵がかかっててドアが開かないからぶち破るヤツだわ」と思いながら、何事かと聴いてみる。
鍵は抜けたらしい。
でも今度は鍵が開かなくなったらしい。
その部屋には私とTの荷物が入っています。
それを取り出せないといろいろ困る。
そういったことを家人も理解しているようで、必死に扉を破壊しようと大男が扉に体当たりをしていたわけです。(鍵を開けるのはあきらめたようです)
「ドアが開いたら教えてください」と言い再びだらだらと酒をあおる男4人。
また30分くらいたったでしょうか。
部屋の外がさらに騒がしいのです。
30分前まで聞こえていた「ドンッ!!」「ドンッ!!」という鈍い音は聞こえなくなっていました。
しかし、その代わりに「キンッ!!」「キンッ!!」という甲高い金属音が鳴り響いていたのです。
何事かと部屋の外をうかがう私たち。
それはもう身の毛のよだつような恐ろしい光景がそこにはあったのです。
おじいちゃんがノミと金槌で私とTの部屋の鍵を破壊していたのです!!

「いやいやいや、待って。俺、これは知らない。コナンでも金田一でも見たことない。しいて挙げるならホラー映画。閉じ込められた主人公たちを襲うために外から扉を開けようとする妖怪だわ。完全にあれは妖怪だわ。あの部屋の中にいたらおしっこちびる自信あるわ。しかもおじいちゃんを囲む人だかりの中に民宿おばちゃんが2人いるわ。徳島にはまだまだ妖怪が住んでるのね」
と思いながら、何も見なかったことにして酒盛りを続ける男4人。
それからさらに30分ほどでしたかね。
酒盛りをしているKとYの部屋の扉がノックされたんです。
恐る恐る出てみるとそこには民宿おばちゃんの片割れが・・・
「ドア開きました」
おばちゃんの一言に胸をなでおろす私とT。
さすがに鍵がかからない部屋を貸すわけにはいかないと別の部屋を用意してもらいました。
ありがとう妖怪おばちゃん。
荷物を別の部屋に移すために元私とTの部屋へ行く私たち。
いやぁ、凄惨な光景だったね。
ドアノブ付近が四角く切り取られたドア
木くずまみれの床
事件のにおいがプンプンします。
妖怪「鍵破り」の仕業ですよ。
無事荷物を回収して新たな部屋へ入った私とTはその後お風呂に入って就寝しました。
翌日は朝から徳島を軽く観光し昼過ぎには徳島を出発しました。
おわり
最後に
名前も場所も覚えてないけど、その民宿には本当によくしてもらいました。
ありがとうございました。
そして、妖怪とか書いてごめんなさい。