こんにちは、おにぎりパンです。
先日綾野剛主演の「ヤクザと家族 The Family」という映画を観てきました。
もうね。神作ですね。これまで、スコセッシの「グッドフェローズ」や「アイリッシュマン」もしくはマフィア映画としての不朽の名作「ゴッドファーザー」に代表されるマフィア・ギャング映画や、「仁義なき戦い」や「アウトレジ」などのヤクザ映画、白石和彌監督の「日本で一番悪い奴ら」「孤狼の血」などの汚職警察物をいくつも観てきましたし、龍が如くなどのゲームもプレイしてきましたが、本作は間違いなく神作です。
あんまり一般人におすすめしにくいですが、ヤクザ、マフィア、ギャング映画が好きな人なら間違いなく刺さる!!これを観ないのは本当に損するので、絶対見てほしい!!
ということで本記事では映画「ヤクザと家族 The Family」についての感想を書き連ねていきます。
大きなネタバレは書きませんが、一応ネタバレを書く際は白文字で見えないようにしとくので、ネタバレ部分を読みたい人は記事の該当部分をドラッグしてください。
~目次~
映画「ヤクザと家族 The Family」のあらすじ
1999 年、父親を覚せい剤で失った山本賢治は、柴咲組組長・柴崎博の危機を救う。その日暮らしの生活を送り、自暴自棄になっていた山本に柴崎は手を差し伸べ、2人は父子の契りを結ぶ。2005 年、短気ながら一本気な性格の山本は、ヤクザの世界で男を上げ、さまざまな出会いと別れの中で、自分の「家族」「ファミリー」を守るためにある決断をする。2019年、14年の出所を終えた山本が直面したのは、暴対法の影響でかつての隆盛の影もなくなった柴咲組の姿だった。
「新聞記者」が日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた藤井道人監督が、時代の中で排除されていくヤクザたちの姿を3つの時代の価値観で描いていくオリジナル作品。これが初共演となる綾野剛と舘ひろしが、父子の契りを結んだヤクザ役を演じた。
冒頭のあいさつでも言いましたが、本作は神作です。個人的には現時点での今年No.1は本作です。とはいえ、私自身がマフィアやヤクザを描いた映画が大好きであるという補正がふんだんに入っていますから、あまり期待しすぎないでください。
本作の監督の藤井道人さんの前作「新聞記者」は非常に出来が良くおもしろかったのですが、陰謀論に片足どころか腰ぐらいまでどっぷり漬かっているいる作品だったので、一部の政治思想の異なる方々からボロカスに言われていて可哀そうだなぁと思ったのを覚えています。私も「陰謀論的だな~」と思いながら見ましたが、映像作品としての完成度は非常に高かったので、アートとして以外の面から正当に評価されない作品は本当に勿体ないなぁと思います。
一方で本作は完全にオリジナル作品でヤクザの在り方も割と一般的な認識とそう大きくはズレていないので、比較的万人受けするのではないかと思っています。
映画「ヤクザと家族 The Family」の感想
絶対に映画館で観てほしい映画です。現状で私の今年の映画No.1は本作です。
「極道」という業界全体の盛者必衰を描いた珍しい作品
本作で私が一番新しいなと感じた点は、極道の世代交代や下克上、抗争や陰謀による勢力変化といった「闇世界の変化」だけではなく、1999年から2019年の日本という20年の時間変化と共に極道そのものがどのように変遷してきたかを描き出した点です。
極道やマフィアというテーマは昔から描かれてきたものであり、大体フォーマットが決まっており、その世界の一人の男の視点から、極道もしくはマフィアの世界の「中」の盛者必衰を描くものばかりでした。まぁ、作品のコンセプト的にそうならざる負えなかったわけです。しかし、本作は現代社会で強烈に締め上げられ一気に昔ほどの勢力を失った世の中の極道というよりマクロな視点でもって描かれており、非常に新鮮な作品となっていました(とはいえ、本当に大きい組は依然として大きな力を持っている事実は無視してはいけませんが)。
前半のコテコテのヤクザ物はいいゾ!
前半から中盤にかけてのコテコテのヤクザ物感は半端ないですね。
龍が如くとか好きな人なら間違いなく楽しめる!
そんで綾野剛がクソカッコいい!!
以下後半のネタバレあり。読みたい人はドラッグしてね。
それに対して後半は14年の刑務を終えて出てきて浦島太郎状態の主人公が、極道の世界ではもうやっていけないことを知ると同時に、反社がどれだけ現代で行き辛くなっているのか見事に描かれています。
一瞬希望が見えるも、現代の凶器SNSによってすべてを奪われるのは実に現代的な表現だと思います。一部で「過剰演出だ」とか「リアリティに欠ける」など言われているのは知っていますが、世の中、自分は全く関係ないのに異常に騒ぎを大きくする人は実際にいますし、私たちが思っている以上にネット上では非常識になる人は多いので、後半の展開は十分にあり得ると思いました。
そして、ヤクザに変わって現代の社会問題にもなっている反グレ集団も描かれており、非常に満足です。磯村勇斗の、あの法律とかちょっと持ち出してくる感じが現代っ子感の小賢しさが出ており非常に良かったですね。
キャストは最高!!
キャストは全員が素晴らしい働きをしていたと思います。
特に主演の綾野剛さん、綾野剛の所属する組の組長役の舘ひろしさん、そして、後半になって出てくる磯村勇斗さんは素晴らしかった!!
綾野剛さんはチンピラ役が本当に似合いますよね。そういう役ばっかりな気がしますが、安定感が半端ないです。ただ一つ言わせてもらいたいのは、冒頭の1999年の二十歳前後は流石に無理があるのではないかと思いました。努力は評価しますが、ちょっときつかった。
舘ひろしさんは存在感が本当にすさまじいですね。それと同時に後半の演技も非常に良かったです。
磯村勇斗さんは私は存じ上げなかったのですが、悪童演技が素晴らしかったです。今後も注目したい俳優さんですね。
まとめ
映画「ヤクザと家族 The Family」を観た感想を書いてきました。
本映画の良かった点・気になった点をまとめると以下のような感じです。
全体的に完成度が高い
時代の変遷とヤクザの在り方の変化を描いた珍しい作品
役者の演技が素晴らしい
綾野剛が二十歳前後の青年を演じるのは流石に無理があった
正直文句なしで面白い映画でした。個人的には神作で、暫定今年の映画ベストです。
今見るべき映画を聞かれたら真っ先にこの作品を上げるくらいに大好きな一本となりました。ぜひ劇場で観てください。