2021年公開映画

映画「名も無き世界のエンドロール」感想

こんにちは、おにぎりパンです。

「名も無き世界のエンドロール」を観てきました。もうね、すごい良かった。この記事にたどり着いた人は、こんな記事読まなくていいから早くネタバレ食らう前に映画館で観てきて。個人的には非常に満足度の高い作品でした。非常におすすめの一作です。

ということで本記事では映画「名も無き世界のエンドロール」についての感想を書き連ねていきます。

本作はネタバレ抜きに語りにくいのでネタバレを書くことになると思いますが、一応ネタバレを書く際は白文字で見えないようにしとくので、ネタバレ部分を読みたい人は記事の該当部分をドラッグしてください。

でも、ネタバレを読む前に映画館で観てきた方が絶対にいいと思いますよ。

映画「名も無き世界のエンドロール」のあらすじ

 

あらすじ

それぞれ複雑な家庭環境で育った幼なじみのキダとマコト。同じ境遇の転校生ヨッチも加わり、3人で支え合いながら平穏な毎日を過ごしてきた。しかし、20歳の時にヨッチが2人の前からいなくなってしまう。そんな2人の前に政治家令嬢でトップモデルのリサが現れ、マコトは彼女に強い興味を抱くが、まったく相手にされない。キダはあきらめるよう忠告するが、マコトは仕事を辞めて忽然と姿を消してしまう。そして2年後、裏社会に潜り込んでいたキダは、リサにふさわしい男になるため必死で金を稼いでいたマコトと再会する。マコトの執念と、その理由を知ったキダは、マコトに協力することを誓い、キダは「交渉屋」として、マコトは「会社経営者」として、それぞれの社会でのし上がっていく。そして迎えたクリスマスイブ、マコトはキダの力を借りてプロポーズを決行しようとするが、それは2人が10年の歳月をかけて企てた、ある壮大な計画だった。

 

 

「名も無き世界のエンドロール」映画ドットコム

 

原作は同名の小説だそうです。

私は原作も読まずに、映画の予告編だけという状態で観賞させていただきましたが、非常によくできた作品でした。個人的にはみんなに見てほしい作品です。日本映画もアクションシーンが無ければ非常にクオリティの高いものが作れるという典型な作品なのではないでしょうか?

 

映画「名も無き世界のエンドロール」の感想

非常におすすめの作品です。映画好きだからとか、マフィアものだからとかそういうコアなファンに向けてではなく、比較的万人に勧められる素晴らしい出来の映画だと思います。

細かい感想についてはこの後書いていくのですが、感想を読む前にこの作品の構造自体をある程度把握しておいた方がいいと思います。

この映画は大きく分けて3つの時系列で構成されています。それらを「現在」「過去」「大過去」とします。「現在」はその名の通り映画の中で云う「現在」の時系列に当たります。「過去」は主人公たちが高校を卒業した後、20歳~の時間の回想になります。そして「大過去」は主人公たちが小学生~高校卒業くらいまでの間の回想となります。

この作品は映画の冒頭に「現在」で何かサプライズを仕掛けている様子が窺えるシーンから始まります。そして、その後はラスト20分まで延々と冒頭の「現在」に繋がる過去のシーンを回想します。その回想も「過去」・「大過去」・「過去」・「大過去」・・・と2つの時系列の回想を細切れにしたものを交互に見せてくる仕組みになっています。そして最後には「大過去」は「過去」に繋がり、「過去」は「現在」に繋がり、「現在」「過去」「大過去」という3つの時系列が一本に繋がるように作られています。

このことを念頭に入れて私の感想を読んでいただければ本記事を割と楽しめるのではないでしょうか?

では細かい感想は以下に書いていきます。

ストーリー周りはモロにネタバレになるので、あまり触れないと思います。

3つの時系列をつなぐ小道具演出

「現在」「過去」「大過去」という3つの時系列に分けられる本作品ですが、これら3つの時系列を上手く重ね合わせる小道具演出が非常に上手いと思いました。

具体的には「犬」、「ボタン(スイッチ)」、「ナポリタン」、「完璧主義者」なんかがそうです。

これらの演出により、時系列の違う3つの世界が地続きであるということを感じさせてくれます。

そして、それと対照的なもう一つの演出が神がかってると思いますが、それはネタバレになるので読みたい方は以下のボックスをドラッグしてください。

ネタバレ注意(読みたい方はドラッグしてね)

3つの時系列を重ね合わせるような共通の小道具を出す演出とは対照的に、山田杏奈さん演じる「ヨッチ」は「大過去」でのみ出てきて、本当に最後になるまで、まるでこの世界に存在しなかったのではないかと思うくらい、「過去」では触れられません。学生時代のヨッチが「みんなに忘れられることが何より怖い」と言ったことを踏まえると、「過去」の回想においてヨッチという存在を全く匂わせない演出がどこまでも徹底されていたことが映画を見終わって初めて実感できると思います。

この徹底したヨッチの排除は3つの時系列が地続きであることを予感させた小道具演出とは対照的に、ヨッチの存在というのが「大過去」で途絶えてしまったことを暗示しており、話の見えない序盤から視聴者に小さな疑問を植え付ける非常に重要な役割を果たしていると思います。

この非常に上手い小道具演出に対して、神がかったカウンター演出が本当に素晴らしいの一言に尽きます。

 

正直、この映画においてこれらの演出が全てであり、肝になっていると思います。

 

役者は素晴らしい!!

本作の役者さんは皆さん素晴らしい演技をしてくれました。その中でもダブル主演の岩田剛典さん、新田真剣佑さん、リサ役の中村アンさん、後は端役でしたが柄本明さんは素晴らしかったです。

岩田剛典さんは、High & Low のコブラ役と新解釈・三国志の趙雲役のイメージしかなかったのですが、本作では観客の目となる主人公枠を見事に演じきってくれました。これまでに見たことのない岩田剛典さんを見ることができて非常に満足でした。

新田真剣佑さんは本当に素晴らしかった!!偏差値の低いどうしようもない陽キャという一面と、決意に満ちたドライなサイコパスという相容れない二つの側面を持つ非常に難解で複雑なキャラクターであるマコトを何の違和感もなく演じてくれました。本当に「見事!!」の一言に尽きます。個人的には「ちはやふる」の綿谷新役の印象が強かったので、素朴で純朴な青年のイメージが染みついていた新田真剣佑さんですが、本作で全然違う側面を見せてくれて、「役者ってすげーな!!」と心の底から思わせてくれました。

中村アンさんのイヤな女は本当に素晴らしいですね。物語終盤の熱演は最高でした。

柄本明さんは本当に端役だったのですが、存在感がすごいですね。流石大御所。

 

全体的に良かったが・・・

本映画は全体的に完成度が高く非常によくできているのですが、情報が出そろってくる後半になってくると、マコトが何をしようとしているのかというのが、その出そろった情報から推測できてしまうんですね。これは物語の構造上避けることができない問題で、私も物語中盤からマコトのやろうとしていることが推測できましたし、その推測も8割9割あっていました。これは物語の構成上避けることのできない問題なのですが、上のネタバレボックスで書いた演出のせいで、あるキャラクターがどうなっているのかということが明確に示唆されてしまい、そのことがより簡単に推測をゴールへと導いてしまった感が否めませんでした。とはいえ、そこを含めても非常によくできた作品であるのは間違いないです。

それと、物語後半にキダがマコトにプレゼントを贈るのですが、中身が短時間しか映らなくて、非常にわかりにくいですね。あれは完全に意図的な演出なのですが、私はあのプレゼントの中身を見逃しませんでしたよ。正確に当てました。あれの元の形やコネてから使うなど知ってたので、柄本明さんの注意と一瞬画面に映ったあの映像で理解しましたよ。これはただの自慢です。自慢したかったんです。

最後に唯一本作で気になった点ですが、作中で出てきた「さみしさ」と「さびしさ」の違いですね。劇中であれだけ触れといて特に説明もない。調べてみたけど、特に作中でそこの微妙な違いを表現したギミックみたいなものは思いだせませんでした。私の読み取り力不足が原因か!?そこだけがスッキリしませんでしたね。

 

オリジナルドラマ「Re:名も無き世界のエンドロール ~Half a year later~」dTVで独占配信決定

オリジナルドラマ「Re:名も無き世界のエンドロール ~Half a year later~」メインビジュアル

実はこの映画この一本だけで完結しません。dTVでこの映画の後日談というか続編にあたるオリジナルドラマ「Re:名も無き世界のエンドロール ~Half a year later~」が全3話で配信されることが決まっています。

映画公開日の1/29日に第一話が配信されており、私も3話全部が配信されてからdTVの無料トライアル期間で観ようかと思っています。

dTV – まずは31日間の無料トライアル期間をお試しください。

 

まとめ

映画「名も無き世界のエンドロール」を観た感想を書いてきました。

本映画の良かった点・気になった点をまとめると以下のような感じです。

良かった点

全体的に非常に完成度が高い

物語の構造が面白い

役者の演技も完璧と言っていい

気になった点

物語の構造上仕方がないが、マコトの動機が途中で推測できてしまう

「さみしい」「さびしい」問題

 

本当によくできた作品です。文句なしでおすすめしたい映画ですので、本記事を読んで少しでも気になった方はぜひ見てみてください。

 

ABOUT ME
おにぎりパン
名前:おにぎりパン 年齢:アラサー 生息地:石川県産,広島在住 職業:大学院生 趣味:旅行,映画,ラジオ