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夢の社会保障システム:ベーシックインカム

こんにちは、おにぎりパンです。

2019年2月8日にフィンランドで行われていたベーシックインカムの初年度実験報告が発表されました。【原文

個人的にはベーシックインカムに結構注目していて、この報告書で一記事書こうと思ったわけなんですが、その記事を書く前に、「そもそもベーシックインカムってなんぞや??」って記事書くべきなのではないか?と思い、急遽記事を書いてます。

ですので、この記事では、ベーシックインカムというものを紹介するとともに、ベーシックインカムについて私はどう思っているのかということを書いていきます。

 

ベーシックインカムとは?

ベーシックインカムとは、要は「国民が最低限の生活を送れるだけのお金を国が支給しますよー」っていう社会保障制度です。

日本国憲法第25条は社会権の中の生存権に言及したもので、以下のように書かれています。

 

第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

日本国憲法より

 

この「国民が健康で文化的な必要最低限度の生活を営む権利」“国” がお金を出すことによって保障しようという考え方ですね。

 

現在でも、「年金」や「失業保険」、他にも「生活保護」なんかの社会保障制度は存在しています。

これらの社会保障制度はそれぞれ、受給のための条件が設定されており、条件を満たした人が申請して初めて、これらの社会保障制度を利用できます。

ベーシックインカムとこれら社会保障制度の最大の違いは、ベーシックインカムには受給条件が無く「すべての人」に均等にお金が支給されるという点です。

 

ベーシックインカムに賛同する人は結構多く、ホリエモンこと堀江貴文さんやFaceBookの創始者であるザッカーバーグさんなんかが有名どころです。

「働かなくてもお金が入ってくる素晴らしい制度!!」と思ったあなた。

そんな素晴らしい制度が、いまだに実現できていないことには理由があります。

実は社会実験を除いて、ベーシックインカムを政策として実施した国は現在存在しないんです。

それ故に、ベーシックインカムがどのようなメリットをもたらすのか、またどのようなデメリットを孕んでいるのかについて未知数な点が多く、実施に踏み切れないのです。

 

ベーシックインカムの構想そのものは意外と歴史があり、18世紀末ごろには生まれていたといわれています。

しかし、先ほども書いたように、実際にベーシックインカムを実施したという事例はなく、近年になってようやく社会実験が実施されているという段階です。

以下に現在提言されている、ベーシックインカムを導入した際のメリット・デメリットを簡単にまとめました。

 

ベーシックインカムのメリット

何度も書きますが、ベーシックインカムはまだ実験段階で、はっきりしたことは誰にも分らない状態です。

ですから、以下のメリットはあくまでも提言されていることであり、同時に期待されていることです。

 

貧困対策

すべての人にお金を支給するので、従来であれば生活保護を受けられなかった層の生活水準が上がることが期待されます。

 

一方で、ベーシックインカムは格差の拡大を生むだけだという意見もあります。

 

少子化対策

受給条件がないため、子供でもベーシックインカムが支給されます。

ですから、子供が多いほど世帯での受給額が大きくなり、生活が潤う可能性が指摘されています。

 

社会保障制度の簡素化・行政コストの削減

ベーシックインカムはすべての人に同じ金額を支給するシンプルな仕組みなので、従来の煩雑な手続きを必要としません。

そのために、もろもろの手続きや確認作業に割いていた時間や人員を削減できることが期待されています。

 

多様なライフスタイルが生まれる

働かずとも最低限の収入が得られることから、今よりも多様な生活スタイルが生まれる可能性があり、現状では一部しか食べていくことのできない「芸術家」「ミュージシャン」といった生き方を選択しやすくなるといわれています。

一方で、日本でベーシックインカムを導入した際に支給額は一人あたり月に5万円~15万円になると言われており、都心で生活するにはベーシックインカムのみでの生活は厳しいかもしれませんね。

 

デメリット

以下、ベーシックインカム導入に際し、よく議論になるデメリットを紹介します。

こちらもメリット同様、あくまでも提言されていることなので、実際のところはどうかはわからないです。

 

財源問題

ベーシックインカムに必要な予算は 「年間の支給額」 × 「人口(支給人数)」 で計算されます。

ですから、人口が多いほどベーシックインカムを支えるための財源は大きくなります。

また、物価の高い先進国などでは、支給額も相応に大きくなってしまうため、日本のような物価が高く人口もそこそこに多い国では、予算をどこから引っ張ってくるかが常に議論の中心となります。

2012年の記事では以下のように言われています。

 

厚労省のホームページで、社会保障給付費を見ると、平成21年度で総額が約99兆8500億円であり、ここから「医療」の約30兆8400億円を差し引くとざっと69兆円となるが、これを人口を1億2500万人として単純に割り算すると、すでに月に4万6000円くらいのベーシックインカムに相当する(75兆円あれば、「1月5万円」になる)。4人家族なら、18万4000円だ。すでにそこそこのレベルに達していると思われないか。

「ベーシックインカム」の誤解を解く

 

要は、平成21年度の医療費を除く社会保障費をすべてベーシックインカム予算とした場合、国民は月4.6万円のベーシックインカムを受け取ることができるというわけです。

一人暮らしの場合、家賃ですべて飛びそうですけど、記事にも書いてあるように、家族で住んでるとまとまった収入に感じられそうです。

 

個人への責任負担の増加

ベーシックインカムは財源確保の問題から、従来の社会保障制度を削らざるを得ません

ですから、老後のたくわえや資産運用など個人での計画的なお金の管理が今まで以上に要求されることになると考えられています。

ベーシックインカムで得たお金をすべて使い切ってしまっても、救済制度はおそらくなくなっているでしょう。

 

とはいえ、この問題はすでに始まっています。

日本の年金制度は人口が増えること前提に組まれているシステムなので、人口減少が始まってしまった日本では、年金制度の破綻は時間の問題です。

ですから、今の安倍首相も政策で退職の定年を70歳に引き上げ、年金支給時期を遅らせようとしています。【参考

ですから、自分の老後は国が保証してくれるという考えは現状でも捨てたほうがいいでしょう。

 

労働意欲の低下

国が最低限のお金を支給してくれるので、3Kなどといわれる過酷な労働は誰もやりたがらなくなるといわれています。

そればかりか、労働自体を拒否する人が出てくる可能性さえあります。

このような事態は、労働人口の低下を招き、国力を大きく落としかねません。

 

一方で、現在実施されているベーシックインカム実験にまつわる記事を読んでいると、労働意欲の低下は懸念にすぎないような記事が多いように感じます。(あくまで記事であり、正式な報告書ではないので印象程度の認識ですが、、、)

 

ベーシックインカムの社会実験

上でも述べたように、ベーシックインカムは未だに正式採択されたことがないため、様々な国で実施実験を行っています。

以下にいくつかの例を紹介します。(他にもベーシックインカムの実験をしている国はあります)

 

ケニア

ケニアでは2017年11月から史上最大規模のベーシックインカムの実験が行われています。【原文

実験内容は、

・村を4グループに分ける
・40の村には毎月22.5ドルを12年間支給
・80の村には毎月22.5ドルを2年間支給
・80の村には2年分のお金を一括で支給
・残りの村は何も受け取らない
・実験の規模は16,000人以上

というものです。

16,000人以上が参加し、12年という長時間の実験は今のところ最大規模です。

世界的にベーシックインカムへの注目が集まる一方で、データの不足が著しいので今後とも注視していきたい研究です。

 

この実験をレポートしている記事では、定額の不労所得を得ても堅実に貯蓄する人が多いと紹介されていました。

 

フィンランド

フィンランドでは2017年1月から2年間に渡ってベーシックインカムの実験を行っていました。

実験内容は、

・ランダムに選ばれた失業手当受給者2000人が対象
・月額560ユーロ(約7万円)を支給
・幸福度や健康状態を調べる
・期間は2年間

というものでした。

先進国で大規模におこなわれる実験だったため、世界的に注目を集めていましたが、政府の方針転換により2018年12月に本実験は打ち切られています。【原文
(2019/2/24追記:正確には実験自体は当初の予定通りの期間(2018年12月)で終了し、実験の延長をしないことを決定した。でした)

そして、2017年度の結果報告書が2019年2月8日に発表されました。(次回はこれを取り上げます。)

世界的にベーシックインカムに関するデータが不足しており、世界的に注目を集める実験だっただけに、中止となってしまったのは非常に残念ですね。

 

 

 

カナダ

2017年7月からカナダ・オンタリオ州で約4000人の人を対象にベーシックインカムの実験を行っていました。

実験の内容は、

・年収3万4000カナダドル(約300万円)以下の人は年間最大1万7000カナダドル(約150万円)を支給
・年収4万8000カナダドル(約410万円)以下のカップルは年間最大2万4000ドル(205万円)を支給
・幸福度や健康状態を調べる
・期間は3年間
・実験規模は約4000人

というものでした。

こちらもフィンランド同様、先進国で行われた大規模かつ長期の実験だったので世界的に注目を集めていました。

しかし、2018年6月に発足した新政権の決定により、当初3年を予定していた実験は2018年7月いっぱいで打ち切られてしました。【原文

結果の報告などは見当たりませんでしたが、実験開始から5ヵ月の時点でベーシックインカムに対してポジティブな記事が見つかりました。【原文

フィンランド同様、世界的に注目度が高かっただけに非常に残念ですね。

 

私の意見

私個人の意見としては、そもそも労働に対してネガティブイメージしか持っていないので、ベーシックインカムの導入に賛成する立場を取っています。

大体、週5日・1日8時間労働を40年も50年も続けることが日本で当たり前に受け入れられていますけど、私にとっては狂気の沙汰ですよ。

とても耐えられる気がしない。

こんな考えなので、ベーシックインカムはぜひとも導入してもらいたいと思っています。(ベーシックインカムがあれば週休3日とかでも生きていけそうでしょ?)

ただし、財源問題のところでも触れていますが、ベーシックインカムは支給できても5万円~10万円程度が限界だと思っているので、ベーシックインカムだけで生活をしていくというのは、持ち家の人や大家族など一部の人だけでしょう。

また、同様の理由でどうしても労働は必要となってくると思うので、懸念されている労働意欲の低下や労働人口の減少なども起こっても軽度なもの、もしくは起こらないと考えています。

そして、ベーシックインカムはどうしても国の物価や人口、天然資源の有無など国の豊かさで実施ハードルが変わってきます。

そういう観点からみると、物価の高い先進国ではどうしても予算が大きくなりすぎてしまうでしょうから、実現は難しいのかもしれませんね。。。

社会実験をしていたカナダやフィンランドも実験中止の背景には膨れ上がる予算問題が議論されていたようですし。。。

まさに夢の社会保障システムですね。。。

逆にアラブなどの石油資源を多量に輸出している国などでは我々の想像よりもずっと容易に導入が決まったりするかもしれません。

 

また、ベーシックインカムと似ているようで異なるシステムとして「負の所得税という考え方があります。

これは従来であれば、個人が収入に応じて所得税を国に収めるところを、一定額以下の収入の人には逆に国から個人へお金を支給するという考え方です。

面白いですよね。

こちらのシステムは、現在の生活保護に近いシステムなので、ベーシックインカムに比べて実現はしやすいなと考えています。

しかし、やはりシステムが複雑すぎるので私はあまり好きではありません。

やはり物事は単純化したほうが管理しやすいですし、不正の温床にもなりにくいでしょう。

反対意見も多いですが、私はベーシックインカムの導入に賛成です。

 

まとめ

今回、ベーシックインカムという社会保障制度の考え方や実験を紹介しました。

要約

・ベーシックインカムは歴史こそあれ、実施された例はない
・ベーシックインカムの導入には様々なメリット・デメリットが提言されている
・近年、世界的な注目が集まり、様々な国で社会実験が行われている
・実験が中止される例も多く、実施はまだまだ遠いだろう

この記事を通して、皆さんがベーシックインカムをはじめとする社会保障制度について考えるきっかけとなれば幸いです。

次回は、2週間ほど前に発表されたフィンランドのベーシックインカム実験報告書を取り上げたいと思います。

ではでは~ノシ

 

 

ABOUT ME
おにぎりパン
名前:おにぎりパン 年齢:アラサー 生息地:石川県産,広島在住 職業:大学院生 趣味:旅行,映画,ラジオ